月と春

やさしい月明かりがさし込む頃に。

きみと、本と、チヨコレイト。



冷たくかじかんだ手を擦り合わせて、
ぴりり、と冷えた空気の中、紅く染まった鼻先の痛さを感じながらも歩く…代わり映えしない、いつも通りの二月の朝。


……のはずだけど、
今日はちょっぴり特別な日…ピンク色のハートが行き交ってチカチカするよぅ、
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ あぁ、、……バレンタイン…!!


街はすっかりあま~~い匂いに包まれて、心做しかわたしを横切る人々は、頬を赤らめ、色めきだっているように感じる日。そう、、人々はとても"あつあつ"なのです……!
…ですが何せわたしは、不可逆的大失恋かつ片思いをわずらっているので、ピンク色の空気にはズキズキとした痛みを感じるのですよ、、
なんとも偏屈な恋…!!うーん、なむなむぅ。



"もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから。あなたが消しに行って下さい。私ひとりの力では、とても消すことが出来ないのです。" ( 太宰治 「斜陽」より )


この時期にぴったりだと思って読み返した「 I Love You の訳し方 」という本。人それぞれの アイシテル、の言い方を綴った本。
このアイシテル、の言い方が、今のわたしにはすごく刺さったの。



とうの昔にきみに点火されてから
今の今まで沸騰したまま くつくつと、
こぼれてしまいそうになりながらも、
ずぅ~っとくつくつ、くつくつと……

わたしの場合、消してほしくても消してもらえる距離にきみはいないのだな、と再び思っては
くつくつと煮立ったまま……
わたしも、わたし一人の力ではとても消すことはできないのにねぇ、、このままじゃ、わたし焦げちゃうよ、?? ( 勝手に焦げてろ、!!と思ったそこの方、うん、わたしもそう思ってるから大丈夫。)

わたしだって、蕩けるほどにあま~いチヨコレイトになりたい……でも煮立ったままのわたしはいっつもほろ苦い、ビターチヨコレイト、、

でも毎夜、すとん、って心の隣に座り込んできてくれるみたいにやさしい きみのあまさ、にいつも依存してしまって、このくつくつと沸騰したままの気持ちを、消してほしくはない…と思ってしまうの。だって大好きなんだもん、止められないんだもん、、。
だからわたしは、ビターチヨコレイトも好きになるよう努力するよ、だってきみがこの世で一番大好きだから。


" 恋はするものではなく、落ちるものだ。むしろそれは堕落と言っていい。そして恋に限らず、人は大なり小なり堕落しているもので、堕落は一番の人間らしさなのかもしれない。" と、あの本には綴ってあった。確かに…それは一理あるかも、?だってね、、



たとえそこが月すら見えぬ地の底…月の光すら届かぬ場所だとしても、
きみとなら"月が綺麗ですね"と唄えるもの。




それにわたしは、
きみとなら" 死んでもいいわ。"




Happy Valentine…!♡